こんにちは。りょうです。
中高の英語科教員として働いています。
今回は英語が得意だから英語の先生になりたいという人へ。
私立中高を何校か経験してきたことから、英語が得意な人が英語科教員になるメリットとデメリットを紹介します。

目次
英語が得意な人が英語科教員になるメリット
英語が得意な人が英語科教員になるといろいろいいことありますよ。
英語(英文法)の研究ができる
英語科教員になってとくに感じたのが、英文法に関してとても詳しくなれるということです。教員だから当然なんですけどね。
「使える文法」というよりは「入試にでる文法」に詳しくなれるのがちょっとひっかかりますが。
また、まわりの英語科教員も同じように英文法に詳しいので、話し合ったり議論したりすることはとても楽しいです。
さらに学んだ英文法をわかりやすく説明する力が付きます。
仕事が英語の勉強に直結
英検やTOEICなど、自分のための英語の勉強をいくら仕事中にやっていてもOKです。
「教科の研究」という名目があるので。
もちろん、やるべき仕事はきちんとこなしてからですけどね。勉強好きにはありがたいですよね。
英語の資格を持っているとスゴイと思われる
英語科教員って英語のことなら何でもできそうですが、実際そうでもありません。
英検1級を持ってる人はほとんどおらず、TOEICだとだいたい800がボリュームゾーンです。
英語をしっかり話せる人も少ない印象。
それが悪いと言ってるわけではなく、そんな現状の中で英検1級を持っていたり、英語をペラペラ話せたりする人は貴重な存在となります。
昨今の「オールイングリッシュ授業推進」の波もあって、英語が話せる人は良くも悪くもいろいろ使われます。

「信じられない大人」がいない
英語関係ないですが、これも教員になってよかったことの一つです。
一般企業で働いてたこともありますが、どの会社にもだいたいひとりは「信じられない大人」がいました。
平気でいじめとか、メンヘラ気味な人とか。
その点教員というのは、学生時代にそこそこ成績が良くて先生に気に入られてきた優等生の集まりなので、わかりやすく「信じられない大人」はあまり見かけません。
陰でコソコソ、とか最近よく話題になる犯罪レベルのやらかしまでいくと、ちょこちょこいますけどね。
安定している
英語科教員に限らずですが教員は安定しています。
公立はもちろん、私立でもです。
英語の勉強を続けていくためにも生活のためにも、安定した収入は大切ですね!
英語が得意な人が英語科教員になるデメリット
では反対に、英語が得意な人が英語科教員になってここがよくない!と感じるポイントです。
英語を聞く・話す場がない
英文法や英単語・長文読解には強くなるんですが英語を聞いたり話したりする場がありません。
教材研究で教科書の音源を聞きますが、中高レベルの教科書用なんであんまりリスニング力向上には向いてないです。
話すにしても、一応ALT(外国語指導助手)がいるんですけどそんなにしょっちゅう話すわけでもないし。
授業をオールイングリッシュでと頑張ってはいますが、その場合は簡単な英語をゆっくり話すのが基本です。スピーキング力向上にはなってないかな。
「話す」側面だけ見たら、空港で英文事務をやっていたときのほうがよっぽど英語を話してました。

受験英語にかたよりがち
英語独学勢は受験英語というより、生の英語で勉強してきた人が多いです。
海外ドラマだったり洋書だったり。
なので、英語科教員になって受験英語にどっぷりつかって、うっかりしているとすっかり生の英語ご無沙汰!になってしまうことがあるかも。
英語を話すにしても教員はそもそも話すことがほとんどないので、オンライン英会話などで生の英語の感覚は忘れないように常にインプットしましょう。
私はこのまま教員を続けて、この感覚を失ってしまうことを一番恐れています。
メンタルやられる
英語が得意で教員になる人は英語が大好きなのではないでしょうか。私ももちろんそうです。
なので、英語のことばかり考えて「子ども相手に教えないといけない」ということを意識しないまま教員になるとメンタルやられます。
中高生は平気で人を傷つける言葉を投げてくるので、折れない心を持ちましょう。
とはいえこれがすごく大変で、私はいまだ心やられています。

英語が得意な人が英語科教員
英語が得意な人が英語科教員になるメリットデメリットでした。
私は35歳で教員免許を取得して教員となりました。

なので昔のことはわかりませんが、今は「民間を経験している人材を教員に」というような風潮がある気がします。
英語が得意で教員になりたいけど「もう年だから」と迷っているあなた、一度挑戦してみてはどうでしょう。
あなたの経験と英語力を待っている学校があるかも。
ありがとうございました。