- 英検1級の難易度を知りたい
- 英検1級これからうけたいからどんなもんか知りたい
- 英検1級取得してるから自分がどんだけすごいか知りたい
こういった疑問に答えていきます。
英検1級受験者概要
英検1級の受験者は年間26000人くらいです。
その中で社会人が占める割合が約7割。
ほかの級(5級~準1級)では学生の割合の方が高いか同じくらいです。
わたしが受験した時も、ほとんどが社会人というイメージでした。
英検1級合格率と合格点
英検1級の合格率と合格点です。
年度によりますが、参考ていどにどうぞ。
英検1級合格率
英検は2015年度までしか合格率を発表していません。
2015年 | 12% |
2014年 | 10.4% |
2013年 | 10.4% |
2012年 | 10% |
2011年 | 9.6% |
2010年 | 8.8% |
2016年以降の試験の難易度が大きく変わったわけではないので、今でも平均して合格率は約10パーセント前後と言えそうです。
参考までに合格率が10パーセント前後の資格を調べてみました。
行政書士 | 14% |
公認会計士 | 11.5% |
一級建築士 | 9.9% |
通関士 | 13% |
どうでしょう。
なにやら難しそうな資格が並んでいますね。
英検1級を取得すれば、あなたも同じ土俵に立てます。
英検1級合格点
英検の合否判定にはCSEスコアという方式が用いられています。
英検1級の場合
- 1次試験(リーディング・リスニング・ライティング)2028/2550満点
- 2次試験(スピーキング)602/850満点
が合格基準。
このCSEスコアは、問題の正答数から自分で採点することはできません。
とはいえ合格できているのか、気になりますよね。
目安として、各技能で7割ほどの正答率があればOKとされています。
英検1級の難易度
ではここから英検1級の難易度を検証します。
星の数で勝手に評価してみました。
それぞれの技能から、またいろいろな面からも見ていきますね。
単語☆☆☆☆☆
英検1級の単語は難しすぎると有名です。
(例題)His hard work ( ) in success when he finally earned the MVP award.
- floundered
- rummaged
- dwindled
- culminated
culminate (頂点に達する)←正解
dwindle(衰える)
flounder(もがく)
rummage(引っ掻き回して探す)
たしかに難しいですね。
ただ英語のニュースや新聞を見てみてください。
英検1級レベルの単語がゴロゴロ出てきています。
決して「試験のためだけに暗記したけど全然使わない」単語ではないはずです。
続いて必要単語数です。
高校卒業までに習う英単語は、およそ4000単語と言われています。
その約3倍の語彙数が必要ということ。
かなり英語に情熱がないと、かなわない量ではありますね。
リーディング☆☆
英検1級のリーディングは点が取りやすいパートです。
そもそもそんな難しい単語使ってません。
Opinion polls have wrongly predicted the results of some major political contests around the world recently. One example is the 2016 US presidential election, in which Hillary Clinton’s advantage in a few key states was overestimated, leading to erroneous forecasts that she would defeat her opponent, Donald Trump. Though the results of election stemmed from many factors. The failure of the polls in this case has mainly been attributed to “nonresponse bias”.(英検サイトより一部抜粋)
リスニング☆☆☆☆
リスニングは4つのパートに分かれています。
問題形式 | 問題数 | 問題文の種類 |
内容一致選択 (会話) | 10 | 会話文 |
内容一致選択 (文) | 10 | 説明文など |
内容一致選択(Real-Life形式) | 5 | アナウンスなど |
内容一致選択 (インタビュー) | 2 |
英検1級のリスニングがむずかしいなと思うのは
- 1回しか読んでくれない
- リスニング力だけじゃなく速読力が必要
- 集中力がとぎれてしまう
Part3はとくに読む部分が多いので、さっさと読んでおかないと大変。
あとリスニング一文一文が長いので、「終わった」と思っても「まだ続くんかい」ってことがよくあります。
Part4のインタビューは集中力を3分くらい継続させておかないといけないので、ほんとつかれます。
ライティング☆☆☆
ライティングには
- 意見論述問題
- 英文要約問題
の2題があります。
まずは意見論述問題の例題です。
● Write an essay on the given TOPIC.
● Give THREE reasons to support your answer.
● Structure: introduction, main body, and conclusion
● Suggested length: 200–240 wordsTOPIC
Does the Japanese government have much control over the economy?(旺文社作成予想問題より)
英作の意見論述問題は、正直なところ1番点数がとりやすいし難易度も高くないです。
パターンを覚えて何回か練習をしておけば高得点をねらえます。
続いて英文要約問題の例題です。
問題
Poyang Lake is China's biggest freshwater lake. Although people have fished it for generations, these days, a new resource is being removed sand. Up to 10,000 tons of sand are dug up from the lake floor per hour, making this the world's largest sand mine. Much of the sand is shipped to Shanghai-a city whose population has risen by 7 million since 2007—where it is used in the construction of high-rises, roads, and other structures. Massive mining operations exist not only in China but also in other nations, including Australia and the United States. Globally, the largest importer of sand is Singapore, which has used the resource to increase its territorial landmass by 20 square miles.
The consequences of sand mining are a major concern. Removing sand from water bodies increases water sediment, blocking out sunlight; this interferes with underwater plants' production of oxygen, making survival for fish and other organisms difficult. In the case of Poyang Lake, sand removal has made the channels leading out of the lake much deeper and wider, doubling the amount of water flowing outward. Consequently, the lake's water level has dropped dramatically. This threatens the water supply to neighboring wetlands, which are home to numerous bird species and other wildlife.
Many countries are becoming increasingly aware of the damage caused by sand mining. Demand for the resource has taken a toll on Indonesia, Malaysia, and Cambodia, which have banned sand exports in efforts to preserve local ecosystems. However, increasing demand means that when mining stops in one area, other areas take on the burden of supply. China's Yangtze River, for example, was formerly a major sand-mining site, but by the late 1990s so much had been removed that bridges collapsed along with large sections of the riverbank. When sand mining was banned on the Yangtze in 2000, operations shifted to Poyang Lake.
(英検サイト出題例より)
2024年度より入ってきたこの英文要約問題。
意見論述問題より書く文字数は少ないですが(90-110words)しっかり読んでまとめる練習を積んでおかないとむずかしいですね。
スピーキング☆☆☆☆
二次試験のTOPICをいくつか紹介します。
・国際政治に向けた国連の役割は何か
・全ての伝統は守る価値があるか
・教師は生徒によって評価されるべきか
・オリンピックは商業的になりすぎているか
・芸術への財政的支援増加の是非
・世界経済における日本の役割
・選挙権の行使を義務化するべきか
まず英語というよりもトピックの内容がむずかしい。
トピックを選んで→1分間スピーチの準備→2分間スピーチ
の流れです。
そこからさらに自分のスピーチに対して質問されます。
その場で知ったトピック内容で即興で
「導入→本論→まとめ」
のスピーチを作らなければならないという、かなり難易度が高い分野。
ちなみに下位級(3級~準1級)では二次試験の合格率はすべて80%を超えているけど、1級は50~60%だそうです。
その他難易度を物語るもの
英検1級の内容とは少しずれますが、わたしが英語初心者から1級合格まで英語を勉強してきて「これって英検1級のむずかしさを語ってるよね」って思ったことを紹介です。
英検1級を取得するために頑張っている人が多い
SNSやブログで英検1級を目指して勉強している人がたくさんいらっしゃいます。
昔から変わらず一定数は、つねに勉強しています。
これはつまり、長年勉強し続けても合格できない人もまた、一定数はいるということでしょう。
まわりで持ってる人がいない
わたしは教員をしていますが、今まで数校の中学・高校を経験してきて英検1級を取得している人に出会ったのは1回だけ。
取得しているのにまわりに知られていない人もいるかもですが。
ちなみにその人は、教員をやめて青年海外協力隊として海外へ行っちゃいました。
本屋に参考書がない
英検で一番受験人数が多いのは3級です。
そしてみなさんお気づきでしょうか。
とくに小さな本屋さんでは、英検1級の参考書を取り扱っていないということを。
あまりに受験者が少なくて商業的価値がないので、置いていないのでしょう。
難易度が高いというより、受験者が少ないということがわかりますね。
英検1級とほかの試験の比較
英語の試験では、英検以外にもたくさんの資格があります。
まずはこの表を見てみましょう。
この中からTOEICとTOEFL、また英検準1級と比較してみます。
TOEIC
英検1級とTOEICとの比較です。
上の表ではみなさんがよく知るTOEICとの比較はありませんね。
また4技能をはかる英検とTOEICとの比較はどうかなとの意見もありますが、一般的には
- 英検1級=TOEIC945~
ざっくりこのくらいです。
そしてわたしの感覚では
- TOEIC900<英検1級<TOEIC990(満点)
です。
TOEIC900はわりとスッといくのですが、満点となると英検1級よりはハードル高いんじゃないかと。
TOEFL
TOEFLは英検と同じくどちらも4技能を測定する試験です。
英検とちがってTOEFLは、よりアカデミックな内容の試験。
- 英検1級=TOEFL80〜95
- 英検準1級=TOEFL72くらい
ただTOEFLの満点は120なので、TOEFLの方が難易度が高いですね。
英検準1級
では最後に英検準1級と比較してみます。
比較というより1級も準1級も同じく英検ではあるので、どれだけ難易度があがったのかという観点で見てみましょう。
英検準1級は取得してるけど1級はどんなもんなのかを知りたい人は、しっかり確認しておいてください。
まずは必要単語数です。さきほどの表を見てみましょう。
そもそも英検準1級のレベルは、およそ大学中級程度とされています。
- 社会生活で求められる英語を十分理解
- 入試活用や単位認定
- 教員採用試験に優遇
- 海外留学にも多方面で幅広く適用される
かなりレベルが高いにもかかわらず、その準1級の必要語彙数のおよそ倍、英検1級では必要とされています。
また英検準1級レベルの英語力をもっている場合、1級を取得するために必要な学習時間は約500〜600時間。
英検の中でもやはり1級は別格のようですね。
英検1級取得のメリット
英検1級はとてもハードルが高い試験です。
取得自体にとてもやりがいがありますが、取得した後にどんなメリットがあるのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで英検1級を取得してよかったことをあげてみます。
英検1級が使えるところ
英検1級を取得すると、いろいろオトクなことがありますよ。
通訳案内士試験
英検1級合格者は、通訳案内士試験での英語試験の免除を受けられます。
ちなみにTOEIC900でも同じく免除が受けられますが、TOEICの場合前年度以降に取得したスコアじゃないといけません。
その点英検は、1度取得すればずっと有効。
教員採用試験
教員採用試験でも英検は優遇されます。
多くの自治体では、準1級からオトクな処置があるようですね。
都道府県によってぜんぜん違うので、こちら参考にどうぞ。
また教員採用試験受験者を対象とした受験料助成制度もあります。
大学入試
大学入試でも英検は大活躍です。
2級あたりから使える大学も多いですが、1級を持っていればより高い優遇措置を受けられます。
いろんなパターンがあって
- 英検1級で満点換算
- 英検1級で加点
- CSEスコアによって出願資格
などなど。
英検1級まわりからの評価
英検1級を取得した後の周りからの評価です。
- 英検に少しくわしい人からは「すごい」と言われる
- 英語教育系の仕事にはファストパス的効果
高校受験や大学受験で使われているように、とにかく教育界に強い英検1級。
わたしは英検1級を取得して、人生かなりイージーモードになりました。
英検1級を受験するメリット
英検1級は取得後だけでなく、受験するだけでもメリットがあります。
英語全技能の大幅なレベルアップ
英検はTOEICとちがって4技能を試されます。
英検1級の対策を続けることで、英語全技能のレベルアップにつながるのはうれしいポイントですね。
達成感とモチベーション
英検1級に合格すればもちろん、ものすごく達成感があります。
ただ不合格であっても、どの技能がよかったのか、またどの技能が合格点に足りなかったのか、そういったことを分析することで達成感+モチベーションにつながります。
英検1級の難易度まとめ
英検1級難易度でした。
まとめると
- 英検1級はそれなりにむずかしい
- 英検1級を取得しておくといいことたくさん
ざっくりこんな感じです。
取得してみないと見えないこともあるので、ぜひ挑戦してみましょう。