こんにちは。りょうです。
みなさん英語を読むときは、どういったことを意識していますか。
あまり何も考えずにただ英語を追っている感じでしょうか。
ただそれだといつまでたっても読むスピードが遅い。TOEICでは時間が足りない。
そこで今回、いつもの英語の読み方から脱却して一歩ネイティブに近づくテクニック、スラッシュリーディングの紹介です。
スラッシュリーディングは文を句や節で分割するテクニックで、複雑な英文でもシンプルに読みやすくなります。
テクニックの要素が強いので、トレーニングによっていくらでも強化することが可能です。
今から始めて英語リーディング力を向上させてみませんか。
- 英語を読む速度をあげたい
- 英語を読み返さず理解したい
- TOEIC時間足りない問題を解決したい
こんなあなたにぴったりの記事です。
目次
スラッシュリーディングとは
スラッシュリーディングとは、英文を前から順に意味のかたまりごとにスラッシュ(/)で区切り、読んでいくことです。
こうすることで、目から入ってくる情報を言葉の通りに理解できます。
読み返しをする必要はありません。
スラッシュリーディングの効果
スラッシュリーディングの効果はたくさんあります。
- 分かりにくい語彙や文法・語法があっても意味を推測しやすくなる。
- 英語を読むスピードが速くなる
- 文構造などに注意しやすくなり多読多聴学習での利用に向いている。
- リスニング力が上がる
スラッシュリーディングは句や節ごとに区切って意味を取るので、分かりにくい単語や文法・語法があっても意味を推測しやすくなります。
とくに難しい英文の読解において効果があります。
スラッシュを入れることで英語と日本語の文構造違いが意識できるし、英語特有の表現に慣れることもできるのもメリットですね。
またリーディングやリスニングの時でも、英語をカタマリで理解できるようになるので「英語読んだり聞いたりしていても長くなればなるほどチンプンカンプン」現象が少なくなりますよ。
スラッシュリーディングの効果に関する研究
そうは言ってもスラッシュリーディングの効果にピンとこないあなた。
スラッシュリーディングはその効果が実証されており、アメリカでは古くから移民の英語学習プログラムに採用され、最近では日本の高校の授業にも取り入れられたそうです。
スラッシュリーディングに関する研究もいくつか見つけたので紹介します。
1.高校2年生での効果に関する研究
高校2年生に対し、7時間のスラッシュリーディングの授業を行ったところ、読む速さが 1.5 倍になり理解度も高まったという研究があります。
また「返り読みをしない」「英語のまま理解する」など、読解方法にも向上が見られました。
~西中村貴幸「速読力を高める指導法の研究」(広島大学・広島大学附属高等学校,2012)~
2.中学3年生での効果に関する研究
受験間近の中学3年生に対しスラッシュリーディングの授業を行ったところ、従来の授業に比べ理解度や読解速度により大きな上昇が見られました。
~柳瀬学「英文読解におけるチャンキング指導が日本人 初級英語学習者にもたらす認知効果」(英検助成研究,2008)~
3.大学生での効率的な言語処理に関する研究
大学生にスラッシュリーディングの授業を行ったところ、授業が進むにつれ脳の特定の分野にのみ血流量の増大が見られ、効率的な言語理解が行われることが確認されました。
~湯舟英一「英文速読におけるチャンクとワーキングメモリの役割」(Dialogue : TALK 紀要 / 田辺英語教育学研究会 編,2010)~
また認知心理学者の George Armitage Miller の研究では英文は最大5~9語ごとに理解していくのが効率的であるとされ(1956 年)、これはスラッシュリーディングで区切る単語数と一致します。
スラッシュリーディングのやり方
スラッシュリーディングではまず、情報や意味のかたまりごとにスラッシュ(/)で区切って読んでいきます。
ただ、はじめはどこで区切ればいいのかわからないですよね。
そこで、区切る場所についておおまかに説明しますね。
1.句や節で区切る
具体的には、前置詞・接続詞・関係詞・不定詞・動名詞・分詞・that 節・疑問詞節・whether 節の前で区切ります。機械的に区切ることができるので、専用のソフトウェアも開発されているようです。
私自身も中・高生にはスラッシュリーディングの指導をしていますが、初めのうちはまず、見てすぐにわかる切れ目(ピリオドやコンマがあるところ)で区切ることから始めましょう。
慣れてきたら前置詞の前など、少しずつ増やしていくのが良さそうです。
複雑な文の場合は 、合わせて以下の2点にも注意しましょう。(上級者向け)
2.長い名詞のまとまり
主語や目的語・補語が長いときは、全体を名詞のまとまりとして捉えます。とくに主語が長くなると意味を取りにくくなるので注意しましょう。
3.挿入部分
挿入部分の前後には、コンマが入ることもあれば入らないこともあります。コンマが入っていないと一気に難しくなります。
とくに挿入部分が長くなると、前後の意味が繋がりにくく読みにくい英文になるので、こちらも注意しましょう。
ほとんどの文は1の句や節を区切るだけで十分です。
そのためまずは区切りに慣れるようにし、これを手がかりに2・3も並行してできれば理想的です。
スラッシュリーディングの例
ではスラッシュリーディングのやり方を例文を使って見てみましょう。
以下の英文は、アップル社創業者のスティーブ・ジョブズが2005 年度のスタンフォード大学の卒業式スピーチの一節です。
有名な一節ですが、英語レベルは非常に高く英検準1級(TOEIC800)レベルの人でもスムーズに意味を取るのは難しいのではないでしょうか。
I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did.
You've got to find what you love.
~スティーブ・ジョブズ卒業式スピーチ(スタンフォード大学、2005 年)~
このような複雑な文でも、スラッシュを入れることでとてもシンプルになります。
ここでのスラッシュは that 節や疑問詞節の前に入れており、英文の意味が分からなくても機械的に行うことができます。合わせて、that 節の主語が長いので [ ] で区切ってみました。
I'm convinced / that [ the only thing / that kept me going] was / that I loved / what I did. /
You've got to find / what you love. /
スラッシュを入れると、とても読みやすくなるかと思います。
文の意味は次のようになります。このような複雑な文でも、返り読みをせずに英語の語順のまま意味を取ることができます。
I'm convinced / that [ the only thing / that kept me going] was / that I loved / what I did. / You've got to find / what you love. /
私は確信している / 唯一のことは / 私を前進させ続けた / 私が愛したからだと / 私がしたことを / あなたは見付けなければならない / あなたが愛するものを
いかがでしょうか。カタマリで読むイメージはできましたか。
このスラッシュの入れ方がやっぱり難しいという方は、あらかじめスラッシュを入れてくれている無料英語動画サービスEEvideoを試してみてはいかかでしょう。
スラッシュリーディングまとめ
英語を読むときには意識してほしいスラッシュリーディングの紹介でした。
だんだんとカタマリで読めるようになってきたら、英語を読むスピードだけでなくリスニングにも効果抜群です。
慣れないうちは少しづつ進めてみてください。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。
コメント