- 精読と多読について知りたい
- 精読と多読どちらをやるべきか
- 精読と多読に使う教材とは
この記事ではこういった疑問に答えます。
楽しみながらたくさん英語を読んで、リーディング力をアップさせましょう。
英語リーディングに精読
英語を読み始めるにあたって、慣れていない人や初心者はこの精読から始めましょう。
精読とは
まず精読とはなんなのか。
「文章をていねいに、細かいところまで分析しながら読む」方法。
学生の時の長文読解の授業と似ているかもしれません。
精読の方法
英語精読のポイントは「質」です。
一つの文章をじっくり読み込み、わからない単語は辞書で調べ、文法的にどうなっているのかを検証。
- 一文読む
- 知らない単語を調べる
- 主語と動詞を見つける
- 文意を確認する
- もう一度同じ文章を読む
この手順で進めましょう。
一文読む
まずは一文読んでみます。
スラっと意味が分かればそれでいいですが、何度も読まないとなかなかわかりずらい文章も多いです。
知らない単語を調べる
知らない単語がある場合は調べましょう。
品詞や使われ方なども一緒に調べて、覚えてしまいます。
主語と動詞を見つける
これはとくに、長文を読みなれていない人はていねいにやってください。
主語が長くなっている場合、たとえば
The person who bought the house that stands on Central Street is about to arrive.
(セントラル通りに建つ家を購入した人が、間もなく到着します)
こちらはまだ構文が単純なので、主語が "The" から "Street" までってことはわかると思います。
ただこれがもっとややこしくなったり、長文の中で出てきたりすると急に主語と動詞がごちゃ混ぜになってしまうんですよね。
それに気づかずになんとなくで読み進めてしまうと、いつまでも進歩しません。
文意を確認する
主語と動詞がわかったら、全体の文意を確認しましょう。
その時にもそれぞれの単語の品詞や構文、修飾関係などはしっかり理解して、何を聞かれても答えられるような状態にしておいてください。
日本語にしてみて意味が通らなければ、なぜなのかちゃんと考えてくださいね。
もう一度同じ文章を読む
最後に同じ文章をもういちど読んでみましょう。
どうでしょうか、スッと内容が頭に入ってきますか。
このときに音読ができればさらによし。
ひとつの文章を徹底的に研究しつくします。
精読におすすめ素材
英語のリーディングにはいろんな素材があります。
そのなかでも精読は正式な英文を使ったほうがいいので、新聞や雑誌がおすすめです。
初心者でも読みやすい「日本を紹介する英語の本」なんかもいいですね。
図書館でも見つかるので探してみましょう。
ただじっくり読み込むので、図書館の本だとやりにくいかもですね。(汚したりしたらだめだから)
参考までにわたしが精読によく使っていた素材です。
英字新聞The Japan News
新聞は近所のコンビニで手に入る The Japan News を読んでいます。
1部150円です。
毎日購入は厳しいので、週に1回購入。
1部だけでもじっくり精読すれば、1週間かかります。
以前フリマサイトで安く大量に購入したことがありましたが、やっぱり新しい情報の方が取り組みやすいですし、時事情報もリアルタイムがいいですよね。
またThe Japan Newsでは週に一回翻訳コンテストが開催されているので、興味のある人は参加してみましょう。
参加無料で入賞すればなにかもらえます。
英字雑誌TIME
雑誌はTIME誌をおすすめします。
内容がまあまあむずかしいので、ちんぷんかんぷんだと感じる人はやめておきましょう。
とはいえ精読の素材として一文一文しかっり読んでいるので、少しむずかしいくらいがちょうどいいですけどね。
National Geographic
昔読んでいた英語雑誌に National Geographic があります。
興味深い記事が多かったので、楽しんで続けられました。
絶滅危惧種の話や双子が生まれまくる場所の謎とか。
逆に興味ない分野の本に一度挑戦しましたが、あっという間に挫折しました(世界貿易に関する本)。
ちなみに学生時代とはちがって、こういった素材を精読する場合には解答がありません。
自分でとことん調べて、納得してから次に進んでいきます。
いやいやまずは解説がほしいというあなた。
おすすめの参考書をいくつか紹介します。
どちらも英検1級をめざすレベルにある人で、ある程度は長文も読める人向けです。
精読の効果
精読の効果はいろいろあります。
- 英文が正確に読めるようになる
- 語彙が増える
- 英文を読むスピードがはやくなる
では簡単に解説しますね。
英文が正確に読めるようになる
精読するということは、今までなんとなくわかったつもりで読み進めてた英文にしっかり向き合うということ。
全体でのニュアンスが理解できていても細部が読めていないと、結果試験なんかでは減点につながることもよくあります。
とくに英検は、受験者が読めていないであろう部分をついてくるので。
精読することでこの「細部」にメスを入れるので、どんどん英文が正確に読めるようになります。
語彙が増える
精読では知らない単語や構文など、とにかくたくさん調べます。
その中でたくさん単語にふれて、その都度覚えていきましょう。
単語だけではなく文章の中の単語として出てくるので、覚えやすいし記憶に残りやすいのもおおきなポイントです。
英文を読むスピードがはやくなる
はじめはなかなか英語の文の構造がわからずすごく時間がかかるのですが、慣れてくるとパターンが読めてくるようになります。
知っている単語も増えることで読むスピードも上がり、多読(後述)に近くなります。
そしてここが目指すところ。
簡単な文章は多読で大量にインプット。
難しい文章は精読で理解して、多読に昇華するイメージです。
そしてさらに難しい文章を精読し、レベルアップしていく。
精読は単語や文法事項にも詳しくなるので、TOEICの文法問題にも効果的です。
英語リーディングに多読
さて精読に慣れてきたら多読も取り入れましょう。
多読の方法
英語多読のポイントは「量」です。
ポイントは
- 速く大量に読む
- 辞書はひかない
- 読み返さない
細部の細かい文法や難しい単語は飛ばしましょう。
細かく英文を分解した精読と違って、多読では全体の話の流れをつかみます。
そして、自分が興味のある分野の本を選ぶことが大事です。
日本語の本を選ぶ時と同じように、好きな本が1番。
「量」が命の多読なので、とにかく自分が読みたい!と思える分野が理想ですね。
速く大量に読む
精読では1つの文章にかなり時間をかけました。
多読ではできるだけささっと、大量に英文を読みましょう。
一般的な洋書で50ページくらい、1日で読めたらいいですね。
辞書はひかない
辞書はひかずに読みましょう。
辞書をひくと読む作業がストップしてしまいます。
またわからない単語を調べ始めると、きりがありません。
読み返さない
先ほどの英文
The person who bought the house that stands on Central Street is about to arrive.
(セントラル通りに建つ家を購入した人が、間もなく到着します)
これを読む場合。
- 第一段階(初心者の読みかた):一回最後まで英文を読んでから頭の中で日本語にする
- 第二段階:英語の語順のまま頭の中で日本語にする(人、購入した、家を、セントラル通りに建つ、みたいな感じ)
- 第三段階:英語の語順のまま英語で理解する
第一段階から第二段階にステップアップするために、英文は読み返さずに前から前から理解していきましょう。
そのほうが速く読めますよ。
多読におすすめ素材
多読用の教材をえらぶときは、精読のときとは違って簡単なものを選びましょう。
具体的なポイントは
- 辞書なしで8割程度意味が分かるもの
- 専門的すぎないもの
- 楽しんで読み進めることができる内容のもの
楽しんで読む!とはいえ内容がまったくわからないようだと楽しめませんね。
なので多読の素材を選ぶ時のポイントは、自分が理解できる英文よりもだいぶ簡単なものを選びましょう。
多読用に教材もでているので利用するのもおすすめです。
ラダーシリーズ
ラダーシリーズ特設サイトラダーシリーズは、使用する単語を限定して、やさしい英語で書き改められた、多読・速読に最適な英文リーダーです。巻末にワードリストが付属しているため、辞書なしでどこでも読書が楽しめます。ラダーシリーズは英語学習者用に作られた多読用教材です。
- レベル1: TOEIC300点以上
- レベル2: TOEIC350点以上
- レベル3: TOEIC400点以上
- レベル4: TOEIC470点未満
- レベル5: TOEIC470点以上
以上の5段階、幅広いジャンルから選べます。
英語学習者が学習しやすいように、Levelごとに使用する単語を限定していて多読にぴったり。
辞書なし・日本語訳なして読み進められることを前提に設計されています。
こちらが各レベルの説明です。
「英検準1級」だけでなく「英検2級」あたりのレベルからどんどん読み進めてみましょう。
とにかくたくさん読むことを意識してくださいね。
シドニーシェルダン
英語を読むといえば洋書。
図書館にも洋書コーナーがあるのではないでしょうか。
わたしもたくさんの洋書を読みますが、だんとつで読みやすくて英語学習者にうれしい作者といえば、シドニーシェルダン。
とにかく英語がよみやすく、また内容もハラハラドキドキなので飽きることなく、楽しんでるだけで英語力がアップしてくというなんともありがたい作品です。
多読の効果
では多読の効果です。
- 英語を英語のままで理解できるようになる
- 脳で処理できる情報が増える
- 英語に対する勘が養われる
では簡単に説明します。
英語を英語のままで理解できるようになる
英語を英語のまま、日本語を入れることなく理解できるようになります。
ただしあまりむずかしい英文を選んでしまうと、一度日本語にするという作業を無意識にしてしまうことがあるので、だいぶ簡単な素材を選びましょう。
脳で処理できる情報が増える
英語は英語のままで、脳で処理できる情報が増えていきます。
これはとても大きな効果。
また大量に英文を読む→どんどん脳で処理する、のくり返しなので、読むスピードが格段に上がります。
そうすることでさらに多くの英文を読むことができるという好循環です。
英語に接する機会が多ければ多いほど、慣れれば慣れるほど英語力は向上するので、多読はその機会を増やすのに最適です。
英語に対する勘が養われる
さらに大量に英語に触れることで、英語に対する勘が養われます。
これはTOEICなどの資格試験で「なんとなく答えこれっぽい」って選んだ解答の正解率が上がるということです。
「勘」ということで客観的にわかりやすいものではないのですが。
これを実感するにはだいぶトレーニングが必要ですが、続けさえすれば必ずその日が来ます。
リーディングで突き抜けるには
英語を読む方法を紹介しました。
以上の方法を使って突き抜けたリーディング力をゲットするためには
精読1:多読9
くらいの割合で学習を進めていきましょう。
とにかく周りが引くくらいの「量」をこなすこと。
英語の多読と精読まとめ
多読と精読、それぞれ意識するポイントはいかがでしたでしょうか。
大事なポイントは
- 多読は「量」
- 精読は「質」
どちらにしても、興味のある内容の素材を選んで習慣にしましょう。
習慣にできてしまえば勝手に上達します。
必要なのは努力でもやる気でも才能でもなく習慣です。
今日から早速始めましょう。
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